交通誘導警備業務検定とは(警備業法に基づく国家資格)
警備業務検定は、警備業法第23条に基づいて警備員の知識と技能を公安委員会が認定する国家資格です。業務の種類ごとに6つ(空港保安・施設・交通誘導・雑踏・貨物運搬・核燃料物質等危険物運搬)に分かれ、それぞれ1級と2級があります。交通誘導警備業務検定は、工事現場や道路で車両と歩行者を誘導する業務の検定です。
検定は学科と実技で構成されます。学科では警備業法や道路交通法などの法令、交通誘導の原則、事故発生時の対応、救急法などを問われます。実技では、誘導の合図(停止・進行・徐行・後進)、規制資機材の設置、負傷者の応急手当、無線や連絡の要領などが評価されます。普段の現場でやっていることを、正しい手順と根拠つきで示せるかが見られます。
検定2級の取り方は2つ:特別講習と公安委員会の直接検定
取り方は2つあります。一つは、国家公安委員会の登録を受けた講習機関(一般社団法人警備員特別講習事業センターなど)が行う「特別講習」を受講し、最終日の修了考査(学科・実技)に合格する方法です。講習は2級で2日間程度、修了考査に合格すると「合格証明書」の交付を公安委員会に申請できます。警備会社に所属している人の多くはこの方法で取得します。
もう一つは、都道府県公安委員会が実施する「直接検定」で、講習を受けずに学科試験と実技試験を直接受ける方法です。費用は抑えられますが、実施回数が少なく、実技を独学で仕上げる必要があるため、未経験の人にはハードルが高めです。
2級は実務経験がなくても受験できます。警備業に入って半年〜1年ほどで現場の合図と手順が身についたころに受けるのが、私たちの標準的なタイミングです。
- 特別講習:登録講習機関で2日間程度の講習+修了考査 → 合格証明書を公安委員会に申請
- 直接検定:公安委員会の学科試験・実技試験を直接受験 → 合格証明書を申請
- どちらも合格証明書の交付申請に手数料がかかる
費用はいくらかかるか、会社はどこまで援助するか
特別講習の受講料、テキスト代、合格証明書の交付申請手数料を合わせると、2級で数万円程度の費用がかかります。個人で負担するには決して小さくない額です。
私たちは、交通誘導警備業務検定などの受験費用を会社が援助しています。受講日の扱いや援助の範囲は社内規程に基づき、カジュアル面談や入社後の面談でお伝えします。資格を取った人には資格手当があり、資格者配置の現場に入れるようになるため、日給も上がります。
応募先を選ぶときは「資格取得支援あり」の中身を確認してください。費用の全額か一部か、合格時のみか、取得後に一定期間の勤務が条件か、講習の日が出勤扱いかどうかで、実際の負担は変わります。
2級と1級の違い
2級は、交通誘導警備業務を適正に行うための基本的な知識と技能を持つことを示す資格です。1級はその上位で、現場の警備員を指導・監督し、より難度の高い現場を統括する知識と技能が求められます。1級を受けるには、2級合格後に1年以上の交通誘導警備業務の実務経験が必要です。
現場で求められる場面も違います。資格者配置路線で必要とされるのは「1級または2級」の合格者なので、2級があれば配置要件は満たせます。1級は、複数名の現場で班をまとめる立場や、指導教育責任者を目指す人が次に取る資格です。
資格者配置路線とは:検定合格者が必要になる現場
警備業法施行規則では、高速自動車国道や自動車専用道路での交通誘導警備業務、および各都道府県公安委員会が指定する路線(資格者配置路線)での交通誘導警備業務について、交通誘導警備業務検定1級または2級の合格者を1名以上配置することを義務づけています。熊本県でも、公安委員会規則で指定された国道・県道などの区間がこれに当たります。
つまり、検定合格者がいないと受けられない現場があるということです。工事業者が元請から「資格者配置」を求められたとき、警備会社は合格者を割り当てられなければ受注できません。これが、警備会社が検定取得を支援する一番現実的な理由です。
単価にも反映されます。国土交通省の公共工事設計労務単価(令和8年3月適用)では、熊本県の交通誘導警備員A(検定資格者)が17,700円、同B(無資格)が15,500円と、資格の有無で区分されています。発注側の設計単価が違うので、会社としても資格者の日給を上げる根拠があります。
取得後の役割:資格者配置、班長、そして身辺警護へ
私たちの会社では、検定2級の取得をキャリアの最初の節目にしています。2026年10月時点で検定2級の合格者は5名、年内にさらに5名の取得を予定しています。取得後は、まず資格者配置路線の現場に入れるようになります。高速道路や国道の規制業務は夜勤が多く、日給も日勤より高い帯です。
次の段階が班長・現場責任者です。複数名の現場で隊をまとめ、元請との窓口になります。ここは資格だけでなく、報告の正確さと周囲への気配りで決まります。希望と適性で判断します。
さらに先に、身辺警護(4号業務)へのステップがあります。私たちは2026年10月1日に身辺警護業務を開始し、希望する2号隊員が4号区分の教育を受けて警護員に進む道を用意しています。選抜制ですが、2号で検定を取り、現場の信頼を積んだ人が候補になります。
よくあるご質問
Q.警備の経験がなくても交通誘導警備業務検定2級は受けられますか?
Q.特別講習と直接検定、どちらで取るのが良いですか?
Q.検定を取ると日給はどのくらい上がりますか?
Q.合格証明書に有効期限はありますか?
この記事について
株式会社OU警備保障(熊本県公安委員会認定 第93000308号)が、警備業法・公表資料・自社の運用に基づいて執筆しています。料金・制度は変わることがあるため、最新の内容はお問い合わせ時にご確認ください。