雑踏警備とは:イベント・祭りで警備員が担う役割
雑踏警備は、警備業法第2条第1項第2号で「人若しくは車両の雑踏する場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」と定められています。交通誘導警備と同じ2号業務ですが、相手が車両ではなく人の流れである点が大きな違いです。
具体的には、入場列の整理、一方通行や入場制限による混雑の緩和、歩行者と車両が交差する箇所の誘導、終了後の退場誘導、迷子や体調不良者が出たときの初動対応などを行います。目的は「人が密集して転倒する状況を作らないこと」であり、そのために会場の動線を事前に設計することが重要になります。
熊本では、藤崎八旛宮の例大祭や各地の夏祭り、花火大会、熊本城マラソンのようなスポーツ大会、阿蘇や天草の観光イベント、商業施設の催事など、規模も性質も異なる催しが年間を通じて開かれています。規模に応じて必要な人数と技能が変わるため、早めの相談が結果的に費用を抑えます。
雑踏警備の依頼に必要な情報:来場見込み数と会場図
雑踏警備の見積と配置案に欠かせないのが、来場見込み数と会場図です。来場見込み数は、前回開催の実績、出演者の集客力、天候や曜日を踏まえた概算で構いません。会場図には、入退場口、ステージや観覧エリア、トイレ、駐車場、周辺道路との接点を記入してもらえると配置設計が速くなります。
加えて、開催日時と設営・撤収の時間帯、想定する来場者層(家族連れ・高齢者・学生など)、過去にあったトラブル、警察や消防との協議状況、他の警備会社や自主警備(実行委員会のスタッフ)の担当範囲も、分かる範囲で伝えてください。
これらが揃えば、警備会社は入退場・横断・滞留の3つの観点から危険箇所を洗い出し、何名をどこに配置するかの案を作れます。情報がない段階でも相談は可能ですが、見積の精度は情報の量に比例します。
- 来場見込み数(概算で可)
- 会場図(手書き・地図アプリのスクリーンショットでも可)
- 開催日時・設営・撤収の時間帯
- 来場者層と過去のトラブル
- 警察・消防との協議状況
- 実行委員会スタッフなど自主警備の担当範囲
警備計画書の作り方と警察協議の進め方
一定規模のイベントでは、所轄の警察署と事前に協議し、警備計画書を提出することが求められます。道路を使用する場合は道路使用許可の申請も必要です。警備計画書には、催しの概要、来場見込み数、会場図と配置図、警備員の人数と任務、緊急時の連絡体制と避難誘導の方法、救護体制などを記載します。
警備計画書は主催者が作成するものですが、警備会社が配置案と図面の作成を手伝うのが一般的です。私たちも、来場見込み数と会場図をいただければ配置案と警備計画書の作成をお手伝いし、警察協議に同席することもできます。協議では警察側から配置の追加や動線の変更を求められることがあるため、見積は協議後に確定させるのが安全です。
計画書を作る過程で、主催者側のスタッフと警備員の役割分担も明確になります。案内や受付は実行委員会、交通と雑踏の安全管理は警備会社、という線引きをしておくと、当日の混乱を防げます。
雑踏警備の人数と配置の決め方
雑踏警備の人数は、来場見込み数だけでなく、会場の形と危険箇所の数で決まります。入退場口が一か所に集中する会場、観覧エリアから出口までの通路が狭い会場、周辺道路との横断箇所が多い会場は、来場者数が同じでも多くの配置が必要です。
配置の基本は、「入退場口」「横断・交差箇所」「滞留が起きやすい場所(ステージ前・トイレ・物販)」の3種類の重点ポイントに警備員を置き、無線で連携させることです。加えて、全体を見て指示を出す責任者(隊長)を1名置き、主催者との連絡窓口を一本化します。
終了直後の退場は、入場よりも混雑が集中しやすい時間帯です。花火大会のように終了時刻が一斉に来る催しでは、退場経路を分散させる案内と、駅やバス停・駐車場までの動線の誘導まで含めて人数を見積もる必要があります。
出演者・来賓の随行警護(4号)との一体手配
出演者やゲスト、来賓が登壇するイベントでは、会場全体の雑踏警備(2号)とは別に、特定の人の身辺を警戒する身辺警護(4号)が必要になることがあります。アーティストのライブ、人気配信者やYouTuberの登場イベント、首長や著名人が出席する式典などが典型です。
雑踏警備と身辺警護を別々の会社に頼むと、無線系統や指揮系統が分かれて、動線の変更やトラブル時の連携が遅れがちです。私たちは2号と4号の両方の認定区分を持っているため、会場の雑踏警備と出演者の随行警護をひとつのチームとして手配できます。
身辺警護は2026年10月1日にサービスを開始し、自衛隊出身者を含む警護員8名が対応しています。出演者の入退場動線、控室周辺の警戒、ファンとの接触が想定される場面での退避誘導まで、雑踏側の配置と一体で設計します。詳しくは身辺警護のページをご覧ください。
学校行事・地域行事など小規模イベントの雑踏警備
雑踏警備は、大規模な祭りだけのものではありません。運動会や学園祭の来場者誘導と駐車場整理、校区の夏祭りや公民館行事、商店街のイベント、神社の例祭など、来場者が数百人規模の催しでも、横断箇所や駐車場の出入口には事故のリスクがあります。
小規模な行事では、主催者側のスタッフだけで対応しようとして、保護者や役員が交通整理に立つケースが多く見られます。しかし、公道上で車両を止めたり誘導したりする行為には技能が必要で、事故が起きたときの責任も問われます。危険箇所に限って警備員を2〜3名配置する、という使い方が現実的です。
私たちは学校行事・地域行事を2〜3名の配置からお受けしています。予算が限られる場合は、横断箇所と駐車場出入口に絞った配置案を提案します。熊本市内はもちろん、玉名・八代・阿蘇・天草など県内各地の行事もご相談ください。
熊本のイベント警備の料金と、依頼のタイミング
イベント警備の料金は、交通誘導と同じく、警備員1名あたりの単価に配置人数・時間帯・曜日を掛け合わせて算定します。イベントは日曜・祝日と夜間に集中するため、割増が反映されることが多く、見積時に曜日・時間帯ごとの単価を確認しておくと予算が組みやすくなります。
警備計画書と警察協議を伴う催しは、開催の1〜2か月前には相談を始めてください。協議の結果で配置が変わることがあり、花火大会や大規模な祭りが重なる時期は警備員の確保も難しくなります。学校行事など小規模な行事でも、2〜3週間前までのご相談をおすすめします。
雨天や荒天による中止は、イベントでは避けられないリスクです。中止の判断時刻と連絡方法を契約時に決めておけば、キャンセル料の発生を防げます。料金と中止規定の考え方は、料金ページで公開しています。
よくあるご質問
Q.来場者数が分からないのですが、相談できますか?
Q.警備計画書は主催者が作らなければいけませんか?
Q.イベント警備の人数の目安を教えてください。
Q.出演者の警護もあわせて頼めますか?
Q.荒天で中止になった場合の料金はどうなりますか?
この記事について
株式会社OU警備保障(熊本県公安委員会認定 第93000308号)が、警備業法・公表資料・自社の運用に基づいて執筆しています。料金・制度は変わることがあるため、最新の内容はお問い合わせ時にご確認ください。