警備料金の基本構造:1名1日単価×人数×時間帯×資格者×曜日×期間
警備料金は「◯円〜」と一律に表示できません。同じ警備員1名でも、日中か夜間か、平日か日曜・祝日か、検定資格者か否か、1日だけか長期かで、必要な費用が変わるからです。そのため、ほとんどの警備会社は、1名1日あたりの単価を基準に、現場の条件を掛け合わせて見積を算定します。
算定の要素は、おおむね6つです。基準となる1名1日単価、必要な配置人数、時間帯(日中8時間を基本に、夜間は割増、8時間超は時間外)、資格者配置の有無、曜日(日曜・祝日は割増)、期間(単発・短期・長期で単価の考え方が変わる)。見積書には、この要素ごとの内訳が書かれているのが望ましい形です。
人数は現場の規模と動線で決まります。片側交互通行は原則2名以上、工事車両の出入口誘導は1名から、イベントは入退場口・横断箇所・滞留ポイントの数で決まります。人数の根拠を説明してくれる警備会社であれば、必要以上の配置を提案される心配は小さくなります。
警備料金の相場の目安:公共工事設計労務単価の読み方
警備料金の相場を知るうえで、もっとも信頼できる公的な資料が、国土交通省と農林水産省が毎年公表する「公共工事設計労務単価」です。公共工事の積算に使われる職種別・都道府県別の1日あたりの単価で、交通誘導警備員はA・Bの2区分で示されています。
令和8年3月から適用される熊本県の単価は、交通誘導警備員A(交通誘導警備業務検定1級・2級の資格者)が17,700円、交通誘導警備員B(資格を持たない警備員)が15,500円です。これは所定労働時間内8時間あたりの労働者の賃金水準で、時間外・休日・深夜の割増や、社会保険料の事業主負担分、会社の経費は含まれていません。
つまり、設計労務単価は「警備会社の請求額」ではなく、「警備員本人に支払われる賃金の目安」です。警備会社の見積単価は、これに社会保険の会社負担分、法定教育、装備、管制、保険の費用を加えたものになります。相場を比較するときは、この構造を理解したうえで、見積の単価が設計労務単価に対してどのような考え方で設定されているかを聞いてみてください。
見積の単価に含まれる費用:採用の日給との差はなにか
警備会社の求人に書かれている日給と、見積の単価には差があります。この差は中間マージンではなく、警備員の安全と現場の品質を維持するための費用です。内訳を知っておくと、見積の妥当性を判断しやすくなります。
主な項目は、隊員の賃金(求人の日給)、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の会社負担分、警備業法で義務づけられた新任教育(20時間以上)と現任教育の人件費、制服・誘導灯・無線・反射材などの装備、24時間の受付と配置管理・欠員補充・現場巡回・日次報告を行う管制の費用、万一の事故に備える賠償責任保険です。
極端に安い見積は、これらのどこかが削られている可能性があります。教育を省く、保険に入らない、社会保険を適正に負担しない会社は、現場での事故や欠員のリスクを発注者に転嫁していることになります。価格だけで比較しないことが、結果として現場を守ります。
夜間・日曜祝日・短時間・遠方の割増の考え方
割増は、隊員の負担と安全対策の費用に対応するものです。夜間は22時〜翌5時を含む勤務が対象で、労働基準法の深夜割増に、照明や反射材などの夜間装備と交代計画の費用を加えて算定します。日曜・祝日の配置も割増の対象で、イベントは日曜・祝日が中心になるため、曜日ごとの単価を見積時に確認してください。
4時間未満などの短時間勤務は、移動と準備の割合が大きくなるため、半日単価または最低保証時間を設けるのが一般的です。熊本市から遠い県南・天草・県外などの現場は、移動時間と交通費・宿泊費を実費または日当として加算します。当日・翌日の急な依頼は、空き状況によって割増の有無が変わります。
大切なのは、割増が見積書に時間帯・曜日ごとの単価として明記され、見積後に追加請求されないことです。私たちは見積書にこの内訳を記載し、見積後の追加請求は行っていません。
資格者配置による単価の違い
交通誘導警備業務検定の合格者を配置する場合、単価は資格を持たない警備員より高くなります。公共工事設計労務単価でも、資格者は交通誘導警備員A(17,700円)、資格なしは交通誘導警備員B(15,500円)と区分されており、見積でもこの区分に沿って単価が分かれるのが一般的です。
資格者の配置が義務になるのは、高速自動車国道・自動車専用道路と、公安委員会が指定する資格者配置路線での交通誘導警備です。それ以外の現場でも、発注者や元請の仕様で資格者が指定されることがあります。見積では、資格者の人数と一般隊員の人数が分けて書かれているかを確認してください。
義務のない現場で資格者を配置するかどうかは、安全性と費用のバランスで判断します。交通量の多い幹線道路や片側交互通行の区間が長い現場では、資格者を配置することで誘導の品質が上がります。私たちは現場条件をお聞きしたうえで、資格者を含めた配置案と含めない配置案を比較してご提案することもできます。
中止・短縮時の規定(キャンセル料)の考え方
警備は、隊員一人ひとりの1日を現場のために確保するサービスです。工事やイベントが中止になっても、その日の隊員の収入は守る必要があるため、中止・短縮時の規定(キャンセル料)が設けられています。相場を調べる際に見落とされがちですが、総額に大きく影響する項目です。
一般的な考え方は次のとおりです。前日までの中止は、連絡の時点によってキャンセル料をいただかない場合と一定割合をいただく場合があります。当日の中止は、隊員が現場に向かった、または到着したあとであれば1日分の単価が基本です。当日の短縮(早上がり)も原則1日分として算定し、半日で終わることが見込まれる場合は事前に半日単価で見積もります。天候による中止も同じ考え方です。
雨天中止の判断時刻をあらかじめ決めておくと、キャンセル料の発生を防げます。契約時に判断時刻と連絡方法を取り決め、警備業法に基づく契約前の書面に記載してもらってください。書面に記載のない料金を請求されることはありません。
見積書と契約前書面で確認したい項目
警備業法第19条は、警備業者が契約を結ぶ前に、業務の内容・料金・契約期間・中止時の規定・保険などの重要事項を書面で交付して説明することを義務づけています。契約後にも、契約内容を記載した書面の交付が必要です。この書面の説明をきちんと行う会社かどうかは、警備会社の誠実さを測る目安になります。
見積書で確認したい項目は、時間帯・曜日ごとの1名1日単価、配置人数とその根拠、資格者と一般隊員の区分、時間外の扱い、交通費・宿泊費の有無、中止・短縮時の規定、賠償責任保険の有無、見積の有効期限です。これらが書かれていない見積は、口頭で確認して書面に追記してもらってください。
私たちは、現場の種類・場所・期間・人数・時間帯をお知らせいただければ、営業日内24時間以内を目安に見積書をお届けし、契約前に書面でご説明します。お見積りは無料で、見積後の追加請求はしません。料金の考え方は料金ページでも公開しています。
- 時間帯・曜日ごとの1名1日単価
- 配置人数とその根拠
- 資格者(A)と一般(B)の区分
- 時間外・交通費・宿泊費の扱い
- 中止・短縮時の規定と判断時刻
- 賠償責任保険の有無
- 見積の有効期限
よくあるご質問
Q.警備員1名1日の料金相場はいくらですか?
Q.見積後に追加料金を請求されることはありますか?
Q.夜間の割増は何時から何時までですか?
Q.当日に中止になった場合、料金は全額かかりますか?
Q.長期の現場は単価が下がりますか?
この記事について
株式会社OU警備保障(熊本県公安委員会認定 第93000308号)が、警備業法・公表資料・自社の運用に基づいて執筆しています。料金・制度は変わることがあるため、最新の内容はお問い合わせ時にご確認ください。