4号警備(身辺警備)の法律上の定義
警備業法第2条第1項は、警備業務を4つの区分に分けています。1号は施設警備、2号は交通誘導・雑踏警備、3号は現金や貴重品の運搬警備、そして4号が「人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」、いわゆる身辺警備です。
一般には「ボディガード」「身辺警護」と呼ばれますが、法律上の名称は身辺警備です。私たちは実務では「身辺警護」「警護員」と呼び、警察の要人警護を指す呼称は使いません。詳しくは「SPとボディガードの違い」の記事で説明しています。
4号警備を行えるのは、公安委員会の認定を受け、4号区分の指導教育責任者を選任している警備業者です。OU警備保障は熊本県公安委員会認定 第93000308号を受け、2号(交通誘導警備・雑踏警備)と4号(身辺警備)の両方を行っています。
4号警備でできること
身辺警護の中心は、危害が起きてから対処することではなく、起きる前に警戒して回避することです。そのために、警護当日より前の準備に多くの時間を使います。
具体的には、警護対象者の身辺に随行して周囲を警戒すること、会場や動線・退避経路・車両の乗降位置を事前に踏査して警護計画書を作ること、不審な動きを早期に発見して警護対象者を退避誘導すること、そして緊急時に警察・消防へ即時に通報し、到着までの応急手当を行うことです。
イベントでは、出演者に随行する4号警備と、来場者の列や入退場を整理する2号(雑踏警備)を一体で計画できます。また、弁護士や警察へ相談に行く際の同行、警護終了後の報告書の作成も業務に含まれます。
- 身辺への随行と周囲の警戒(入退場・移動中・面談の場・宿泊先)
- 事前踏査と警護計画書の作成(動線・退避経路・乗降位置・連絡手順)
- 不審な動きの早期発見と、警護対象者の退避誘導
- 緊急時の警察・消防への即時通報、到着までの応急手当
- 弁護士・警察への相談への同行
- 警護終了後の報告書のお渡し
4号警備でできないこと
警備業法第15条は、警備業者と警備員が「この法律により特別に権限を与えられているものでない」ことを定めています。つまり、警護員の法的な立場は一般の人と同じで、警察のような権限はありません。この点を正しく理解していただくことが、依頼前の第一歩です。
まず、相手方の身元や所在を調べることは行いません。他人の依頼を受けて特定の人の所在や行動を聞込み・尾行・張込みで情報収集する行為は探偵業法上の探偵業務にあたり、警備業の範囲外です。必要な場合は提携する探偵業者をご紹介します。
次に、相手方との交渉や示談、警告書の送付も行いません。これらは弁護士法に関わる領域で、弁護士の業務です。私たちは弁護士への相談に同行し、面談の場で身辺を警戒する役割を担います。
さらに、武器を携帯することはできません。携行できるのは公安委員会に届け出た護身用具のみです。相手の身体を拘束したり、威圧や暴力で対応したりすることも業務ではありません。警察のように逮捕する権限もないため、身の危険が差し迫っている場面では110番通報が最優先になります。
身辺警護の依頼が多い3つの場面
ひとつ目は法人です。株主総会や決算説明会、不当要求・カスタマーハラスメントへの対応面談、退職・労務トラブルの面談、建設現場や店舗での近隣住民との話し合いなど、「相手がいる」場面の当事者対応に警護員が同席・随行します。医療機関の院長や、弁護士・司法書士・税理士など個人が名指しされやすい士業の方、来日中の幹部の随行も法人の案件に含まれます。
ふたつ目はクリエイター・イベントです。YouTuber・配信者・VTuber・タレント・地下アイドル・eスポーツ選手のオフ会、ファンイベント、握手会、ライブ、ロケ、移動・宿泊で、出演者の随行(4号)と会場の雑踏警備(2号)をひとつのチームで行います。顔や本名を公開していない方は、警護員にも知らせずに警護する体制を組めます。
三つ目は個人です。ストーカー・つきまとい・脅迫で身の危険を感じている方の通勤同行、引越しの立会い、裁判所や警察署への同行、自宅周辺の警戒です。警察や弁護士への相談と並行して、「それでも日常の移動が怖い」という場面を支えます。匿名でご相談いただけます。
相談から警護開始までの流れ(7ステップ)
身辺警護は、相談したその日に始まるものではなく、準備を積み重ねて始まるものです。私たちは次の7つの段階で進めます。所要期間は案件によりますが、九州圏の法人・イベント案件は空き状況により最短での現地調整が可能です。
- 1. ご相談:フォームまたは電話で状況をお聞きします。個人の方は匿名で構いません(営業時間内は原則2時間以内に一次回答)
- 2. リスク確認:相手方の有無、経緯、警察・弁護士への相談状況、場所・日程・人数・移動手段を整理し、警護の要否と体制を検討します
- 3. 警護計画:事前踏査をもとに、配置・動線・退避経路・連絡手順・通報基準をまとめた警護計画書を作成します
- 4. お見積り(書面):人数・時間・日数、交通宿泊の実費、深夜・緊急の割増、中止・変更の規定を明記します。お見積りは無料です
- 5. ご契約(契約前書面):警備業法第19条に基づく契約前書面でご説明し、秘密保持条項を含む契約を結びます。本人確認はこの時点で行います
- 6. 警護:計画に基づいて実施します。状況が変われば現場責任者がお客様と協議して判断します
- 7. ご報告:実施内容・発生した事象・気づいた点を報告書でお渡しします(原則、翌営業日まで)
熊本から全国へ:出張対応の考え方
私たちは熊本市に本社を置き、熊本・九州全域、東京・大阪を含む全国(出張対応)で身辺警護を行っています。出張対応の案件では、3つの原則で計画を組みます。
第一に、前日現地入りです。遠方や会場規模が大きい案件は、前日に現地へ入り、会場・動線・退避経路の踏査と関係者との打合せを行います。当日に初めて会場を見る警護は、計画の精度が落ちるためおすすめしていません。前日分の日当と宿泊費は見積に明記します。
第二に、2名体制が基本です。警護員どうしの連絡・交代・緊急時の対応のために、1名での警護は原則として組みません。第三に、最低稼働は1日です。拘束時間に応じて算定しますが、数時間だけの警護でも準備と移動の工程は変わらないため、1日単位でのお見積りになります。
費用面では、交通費・宿泊費は実費を別途ご請求します。九州圏(熊本・福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎・鹿児島)は最短での現地調整が可能で、東京・大阪など遠方は日程が決まった計画型の対応になります。
4号警備の会社を選ぶときの確認点
身辺警護を依頼する前に、次の4点を確認してください。まず、公安委員会の認定番号が明記されているか。次に、4号区分の指導教育責任者が選任されているか。認定は1号〜4号の区分ごとに教育体制が必要で、2号の認定だけで身辺警護を行うことはできません。
さらに、賠償責任保険に加入しているか、そして契約前に書面で業務内容・料金・損害賠償・秘密保持を説明してくれるか。契約前書面の交付は警備業法第19条の義務であり、これを省く会社とは契約しないことをおすすめします。
OU警備保障は、認定番号・4号区分の指導教育責任者の選任・賠償責任保険の加入・契約前書面の交付をすべて行っています。警護員は自衛隊出身者を含む8名(2026年10月時点)で、2026年10月1日にサービスを開始しました。
よくあるご質問
Q.4号警備と1号・2号・3号警備は何が違いますか?
Q.4号警備は個人でも依頼できますか?
Q.警護員は1名だけ、数時間だけでも頼めますか?
Q.4号警備の料金はどのくらいですか?
この記事について
株式会社OU警備保障(熊本県公安委員会認定 第93000308号)が、警備業法・公表資料・自社の運用に基づいて執筆しています。料金・制度は変わることがあるため、最新の内容はお問い合わせ時にご確認ください。